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病院で働いている看護師さんが在宅サービスへ転職するメリットは?

看護師として病院で経験を積んだものの、「もっと患者さんに寄り添いたい」「夜勤のない働き方をしたい」と考える方は少なくありません。
 特に第二新卒の看護師さんにとっては、キャリアを見直す絶好のタイミングでもあります。 

その中で注目されているのが、在宅医療サービスへの転職です。病院とは違うやりがいがあり、
自分らしい看護を実現できるフィールドです。
この記事では、臨床経験を持つ第二新卒看護師がこれらの分野へ転職するメリットを、具体的にわかりやすく解説していきます。

1.第二新卒看護師がキャリアチェンジを考える理由

看護師として病院に就職してから1〜3年以内に「自分のキャリアを見直したい」と考える方は少なくありません。
これが一般的に「第二新卒看護師」と呼ばれる層です。

病棟勤務はやりがいが大きい一方で、夜勤や多忙なシフト、急性期医療特有の緊張感などから心身に負担がかかりやすいのも事実です。
「もっと患者さん一人ひとりに寄り添いたい」「自分のライフスタイルに合った働き方を探したい」という気持ちが芽生えることも自然なことです。

第二新卒という立場は、キャリアをやり直すには不利に思われがちですが、実際には柔軟性があり、
まだ若いため育てやすい人材として評価されることも多いです。
特に在宅医療や在宅介護サービスといった分野では、その「若さ」と「臨床経験の基礎力」が強みとして歓迎されます。

2.在宅医療サービスに転職するメリット

1.患者さん一人ひとりに寄り添える

在宅医療サービスの大きな魅力は、患者さんが生活している場に入り込み、その人の人生や日常に寄り添える点です。
病棟勤務では限られた時間の中で効率的に業務をこなす必要があります。

また、「病気を治す場」なので入院患者さんには生活の場としては様々な制限が課されることも多いです。
在宅は「生活の場」なので、病気を治すとともに自宅で生活するために、
 患者さんやご家族とじっくり向き合う時間を持つことができます。 

例えば「毎日のお薬管理をどうしているのか」「どんなことで不安を感じているのか」といった、日々の生活に根差した看護が実践できるのは在宅ならでは。
病院では見えづらかった患者さんの背景まで理解できるため、 より人間味のある看護をしたい方にぴったり です。

2.幅広いスキルが身につく

在宅医療サービスでは、医師、理学療法士、作業療法士、ケアマネジャー、介護スタッフなど、さまざまな職種と協働します。
病棟以上にチーム医療の色合いが強く、看護師として多角的な視点を養うことができます。

また、在宅では急変時の判断や応急処置が求められることもあり、観察力や冷静な判断力も自然と身についていきます。
早い段階で患者さんの変化に気づき、医師につなぐことができるのは 自宅を訪問する看護師にしかできないことです。 

「臨床で学んだ知識をもっと幅広く活かしたい」「総合力を高めたい」という方にとって、在宅医療は大きな成長の場となるでしょう。

3.日勤中心で生活リズムが安定

病棟勤務と比べて、在宅医療は日勤中心の職場が多く、夜勤や不規則なシフトから解放されやすいのもメリットです。
オンコール対応はありますが、交代制や回数制限を設けている職場も多く、プライベートの時間を確保しやすい環境です。

ワークライフバランスを重視しながら「長く続けられる看護」をしたい方にとって、在宅医療は理想的な選択肢です。

3. 看護師が働く在宅サービスとは?その特徴とメリット・デメリット

【訪問看護】

内容
看護師が患者さんの自宅を訪問し、バイタルチェック、服薬管理、医療処置、リハビリ支援などを行うサービスです。

 メリット 

★一人ひとりの患者さんにじっくり向き合える
→病院勤務は看護師1人あたりの患者数が多く、時間に追われることが多い一方、高齢者宅へ訪問する場合の看護業務は1件あたり
30~60分など、比較的ゆとりを持った時間設定で関われるため、生活状況や心理面まで含めて看護ができます。

★多職種連携(医師・ケアマネ・リハビリ職)を経験できる
→医師、リハビリ職、ケアマネジャー、介護職などと日常的に情報共有し、在宅療養全体を支える役割を担います。
→入院医療とは違い、生活を基盤にした包括的な視点が必要になるため、看護師としての「観察力・判断力・調整力」が磨かれます。

★夜勤が少なく、生活リズムを整えやすい
→不規則な病棟シフトと比べて生活リズムを安定させやすく、家庭やプライベートと両立しやすいです。

 デメリット 

★緊急対応や判断力が求められる場面が多い
→医師や他スタッフが常に隣にいるわけではなく、看護師が現場で最初に判断しなければなりません。
→急変時は救急要請や家族対応を含めて即座に動く必要があり、責任の重さを感じやすいです。

★訪問先ごとに環境が異なり、物品不足などの制約がある
→自宅ごとの設備や環境がバラバラで、物品が揃っていない、スペースが狭い、照明が暗いなど、処置がやりにくいケースがあります。
→感染対策も病院のように統一できないため、臨機応変な工夫が必要です。

★移動が多く体力的に負担になることもある
→1日に複数件を訪問するため、車や自転車での移動が必須です。
→天候(雨・雪・猛暑など)による影響を受けやすく、体力的な負担を感じやすいです。

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【訪問入浴】

介護サービスの中で訪問看護以外にも看護師が必ず必要とされるサービスとして、訪問入浴サービスがあげられます。
私達アサヒサンクリーンがコア事業としてやっているサービスです。

内容
看護師・介護職・オペレーターの3人1組で利用者の自宅を訪問し、専用浴槽を使って入浴介助を行います。
看護師は主に入浴前後の健康チェックを担当します。

 メリット 

★利用者や家族から「ありがとう」と感謝される場面が多い
→ある寝たきりのお客様のご家族から「自力でお風呂に入れなくなって父が落ち込んでいた。
皆さんが来てくれて楽しく会話しながら
お風呂のサービスをしてくれたので、ここ数年見たことのない父の笑顔を見れた。私達も嬉しかった」と言われたことがあります。
他にもそれぞれ異なる環境、異なる家族構成のお客様がいらっしゃるので感謝のお言葉の内容も様々。そのようなお言葉を頂くと
私達が当たり前と思っていたことでさえ、実は当たり前のことではなかったんだと気づかされます。

★「看護師さん」ではなく名前で覚えてくれる
→病院では看護師さんがたくさんいて、その中の一人の看護師さんと密接にかかわることはあまりありません。
しかし在宅を訪問する3人の訪問入浴職員の中に一人看護師がいると、やはり「看護師さん」ではなく自分と密接に関わってくれる
「看護師の〇〇さん」としてコミュニケーションをとることが多くなります。
自分が看護師として必要とされている。と、あらためて実感させられます。

★チームで協力して働ける安心感がある
→入浴前にバイタルサインを測定したところ、血圧がやや高めだったケースがありました。
家族の意向を確認したうえで看護師が介護職員と相談して入浴中止の判断をするケースもよくあります。
また相談の結果、中止ではなく「部分浴」に切り替えることもあります。
一人で責任を抱え込まず、仲間と役割を分担できる安心感があるのも訪問入浴の特徴です。

★日勤中心で生活リズムが整いやすい
→病棟勤務で夜勤が続き体調を崩していた看護師が、訪問入浴へ転職。
日勤のみの働き方になったことで生活リズムが安定し、家族との時間も取りやすくなったと話しています。

 デメリット 

★体力的な負担がある
→夏場の暑い時期に浴そうやホースなどの機材をお客様のお宅に運び入れる作業があります。
力仕事であることは間違いありませんが当社の浴槽はカーボン素材にすることで12キロという超軽量化に成功しています。
なによりも看護職員が浴槽を搬入することは当社ではありません。
また夏場はドリンクを会社費用で提供したり、空調服の導入もしています。
課題はどこの業界にもどの業種にもありますが、重要なのはその課題をしっかり課題として把握し、
職員のために改善に向けて取り組んでいるかどうかではないでしょうか。

★冬季や環境による負担
→冬場は浴室や居室の暖房が不十分な家庭もあり、入浴介助中に「寒さ」と「湯温管理」の両立に気を配る必要があります。
看護師として利用者の体温低下を防ぐため、時間配分やタオルの準備に工夫が求められます。
当社では訪問入浴のパイオニアとして50年の歴史から得た知識やノウハウを詰め込んだ作業マニュアルがあり、
安全にかつ効率よく作業ができるようになっています。

★医療処置の機会が限られる
→看護師の役割はバイタルチェックと健康観察が中心で、点滴や吸引といった医療行為はほとんどありません。
「医療技術を磨きたい」と思っている看護師さんにはもしかしたら物足りないと感じることがあるかもしれません。
訪問入浴の看護師のお仕事は臨床スキルを伸ばすよりも、お客様の生活支援に重きを置く仕事なります。
訪問入浴で訪問した看護師さんが、入浴時のゆっくりとしたサービス時間の中で、患者さんの悩みを聞いたり
一緒に考えたりすることは看護師の重要な役割であり、病院ではできないことです。
在宅サービスの奥深さにきっと気づくはずです。
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【介護施設】

日帰りの介護施設(デイサービス)や施設に宿泊するサービス(特別養護老人ホーム・老人保健施設)なででも看護師が
利用者の医療的ケアを担いつつ、介護職やリハビリ職と連携して生活支援全般に関わることができます。
「生活+医療+介護」を一体的に支える仕組みであり、在宅ケアの中でも多職種協働が色濃く表れる職場です。

 メリット 

★多職種連携を実感できる
→理学療法士や作業療法士と一緒に利用者の自宅を訪問し、リハビリの様子を確認したり、体調に応じたプログラム変更を相談
できます。介護スタッフとも常に連携があるため、医療だけでなく生活支援全般を含めた包括的なケアを学べます。

★利用者の生活の変化を長期的に見守れる
→病院では退院したら関わりが途切れますが、併設サービスでは数ヶ月〜数年単位で同じ利用者を支援できます。
「リハビリの効果で歩行が安定した」「服薬管理がうまくいき、体調が安定した」など、生活の改善を間近で実感できるのが魅力です。

★医療処置+生活支援のバランスが取れる
→医療的な観察・処置(服薬確認、褥瘡ケア、吸引など)を行いながら、介護・リハビリの知識も身につけられます。
病院経験しかない看護師にとって新しい視点を得られるため、スキルの幅が広がります。

 デメリット 

★医療行為が少ない
→利用者の多くは在宅生活を送っているため、医療依存度は比較的低めです。
そのため「点滴・採血・急変対応」などの医療処置を頻繁に行いたい看護師にとっては、物足りなさを感じることがあります。

★業務範囲が広く調整力が必要
→医療だけでなく、介護スタッフやリハビリ職との調整、利用者家族への説明や相談対応も担うため、
「調整役」としての負担が大きくなりがちです。
またこのような他職種の方と方向性の違いなどで意見が分かれる場合もあるので、看護師業務に集中したいタイプの
人にはストレスとなる場合があるかもしれません。

★介護業務を手伝う場面もある
→併設事業所では、人員体制によっては入浴介助や排泄介助など介護職のサポートをお願いされることもあります。
「医療処置に専念したい」という人にとってはギャップとなるかもしれません。
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4. 最後に

いかがでしたか。在宅サービスは「看護師としてあまり成長できない」と思う方が少なくありません。
実際に最新の医療技術や看護技術に触れる機会は少ないかもしれません。

 しかし在宅には在宅ならではの強みがあります。 

それは在宅で療養する患者さんや介護をするご家族の生活に寄り添った看護をすることで、「人間的な成長と看護師としての総合力を養う」ことができるという点です。
キャリアの方向性によって、病院の看護師も在宅の看護師も、どちらも看護師としての大切な成長のステップになるのです。

「第二新卒看護師」は、若さと経験がほどよく融合した貴重な人材です。
教育する側の立場から見ても、ミスマッチのリスクが比較的小さく、将来的な成長を見込める点で安心されやすい存在です。

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